地方競馬の解体新書(第15回・第2部の最終回)|第2部のまとめと、当方の価格モデルの前向き検証の公開方法

第2部のまとめと、当方の価格モデルの前向き検証の公開方法 地方競馬の解体新書

地方競馬の解体新書第15回第2部

測った事実を一枚に。そして当方の数字をどう公開していくか

この回の位置づけ

第2部では「地方の市場で、数字はどこまで信じられるか。そして市場はどう変わってきたか」を測ってきました。この回では、第10〜14回で分かった事実を一枚にまとめます。そのうえで、これらの事実を前提に作った当方の価格モデルと、その成績をどう公開していくかを説明します。

モデルの中身(式・使っている情報・判定の基準)は書きません。書くのは考え方と、成績を後から確かめられる形で公開する方法です。

1. 第2部の事実(一枚のまとめ)

回 主題 分かった事実
第10回 確定オッズと買える値段 締切の約60秒前に取得したオッズの中身は、中央値で締切の4.0分前の発表でした(1,676レース)。複勝は確定オッズで選ぶだけで回収率が12.86ポイント上振れし、払戻まで確定オッズで計算すると差は22.24ポイントになります。単勝の選ぶ値段のずれは、点数で重み付けして−0.74ポイントでした
第11回 複勝という券種 1番人気が3着内に残るのは74.71%のレースです(60,242レース)。1番人気が消えたレースでは、2〜8番人気の複勝回収率が107.5〜118.3%になります。ただし、事前に見える1番人気のオッズでレースを選んでも、2〜5番人気の複勝回収率は68.0〜80.3%で、控除を超えませんでした
第12回 16年で市場はどう変わったか 30〜99.9倍の馬の単勝回収率は、2010〜2012年の55〜58%から2019〜2025年の64〜70%に上がりました。名古屋は1番人気の勝率が2010〜2020年の50%前後から2021年以降の40〜44%に下がり、大井は逆に2023年以降で41〜44%に上がっています
第13回 前走の負け方と次走の値段 前走で「展開が不利」だった馬の次走の単勝回収率は59〜64%で、市場全体の68〜70%を下回ります。「強い相手に僅差」の馬は78〜83%でした。注目馬を持ち続ける方法の最良は82.52%で、黒字に届きませんでした
第14回 回収率はどこまで信じられるか 47開催日で見分けられる差は、買い方によって8〜27ポイントでした。12年の前向き検証では、100%を超えたのは12年中5年でした。先読みの漏れを直すと、110.98%が83.07%に下がった例があります

第1部の事実は、第9回にまとめてあります。

2. 事実から導かれる前提

第2部の事実を、買い目を作る側の前提に置き直すと次の4つになります。

  1. 成績は、締切前に実際に買えた値段で計算する。 確定オッズで選んだ成績は、複勝で10ポイント以上高く出ます(第10回)。
  2. 市場の値段を出発点にする。 地方の市場は、人気と結果の関係をほぼ正確に値付けしています(第1回)。16年の間に、大穴の買われすぎも緩んできました(第12回)。市場を無視した予想で控除を超えるのは難しいと考えられます。
  3. 市場が誤る場所は、固定されていない。 前走の負け方の読み違いは縮み(第13回)、競馬場の移転のような変化の前後で市場の形は変わります(第12回)。一度作った規則が、ずっと効き続けるとは限らないと考えられます。
  4. 良い数字を一度見ただけでは信じない。 点数・区間・前向きの期間がそろって、初めて判断できます(第14回)。

3. 当方の価格モデルの考え方

当方の価格モデルは、上の前提から作っています。

  • 出発点は市場の値段です。 締切前の単勝オッズを、そのまま各馬の勝つ確率の見積もりとして使います。
  • そのうえで、市場が値付けを誤りやすい方向だけを学ぶようにしています。 市場と同じことを学ばせても、市場より良い見積もりにはならないためです。
  • 複勝は、1番人気が3着内から消えそうなレースに限って重ねます。 第11回で見たとおり、1番人気が消えるかどうかで複勝の配当は大きく変わります。ただし1番人気のオッズだけでは、消えるレースを見分けても控除を超えませんでした。当方は、1番人気が消える見込みをオッズとは別に見積もっています。
  • 市場の変化に合わせて、定期的に作り直します。 第12回で見たような変化の前後では、特に確かめ直します。

使っている情報、式、判定の基準は公開しません。公開すれば、同じ買い目に投票が集まります。地方のプールは小さいので、その分だけオッズが下がってしまうためです。

4. 前向き検証の公開方法

第14回で書いたとおり、過去のデータで測った成績は、どれだけ注意しても過去を知った上での数字です。そこで当方は、これから先の成績を、後から誰でも確かめられる形で公開します。

  • その日の買い目を、投票締切の後から発走前までの間に X に投稿します。 締切後なので誰も買えません。一方で、発走前の時刻が残ります。結果を見てから選んだものではないことが、投稿の時刻で確かめられます。
  • 1日の結果を、このブログで毎日公開します。 点数・的中率・回収率・損益を、負けた日も含めてすべて載せます。
  • 当方自身も、同じ買い目に実際に投票しています。 その記録も月ごとに公開します。
  • 公開の開始日と X のアカウントは、先行案内のページでお知らせします。

参考として、過去のデータ(2025年10〜12月と2026年7月1日〜9月23日の171開催日)で同じ形の買い方を計算した結果を示します。締切前に実際に買えた値段で買い目を決め、実際の配当で計算しています。

点数 的中率 回収率 損益(点数換算) 黒字の月 最大ドローダウン(点数換算)
単勝+条件つき複勝 2,493 25.6% 122.8% +約568点分 6か月中5か月 約59点分

損益とドローダウンは「何点分」で示しています。1点100円なら損益は +56,799円、最大ドローダウンは −5,919円にあたり、1点1,000円ならその10倍です。

この171開催日は、当方がモデルを選ぶときに使った期間を含みます。第14回の保留期間の例と同じく、登録後の期間の成績はこれより低くなる可能性があります。だからこそ、前向きの記録を別の枠で公開します。 どちらの数字も、将来の利益を保証するものではありません。

5. 分かったこと・分からないこと

分かったこと

  • 地方の市場の数字は、どの値段で計算したかによって大きく変わります。確定オッズで選んだ複勝の成績は、10ポイント以上高く出ます。
  • 市場は長い目で見ると正確になってきており、市場が誤る場所も時期と場所で動きます。
  • 過去のデータで良い数字が出ても、前向きの期間で確かめるまでは判断できません。

分からないこと

  • 当方の価格モデルの成績が、登録後の期間でも100%を超えるかどうかは、まだ分かりません。それを確かめるために、前向きの記録を公開します。
  • 買い目の公開や配信によって投票が集まったとき、オッズがどれだけ動くかは未測定です。

予想への示唆

  1. 回収率の数字を見るときは、「確定オッズか、締切前に買えた値段か」を最初に確かめるほうが、実際の成績に近い判断ができると考えられます。
  2. 地方の市場は年々正確になっているため、昔効いた買い方が今も効くとは限らないと考えられます。規則は、変化の前後で確かめ直すほうが安全です。
  3. 良い数字は、前向きの期間で確かめてから信じるのが確実です。当方もその順番で公開していきます。

解体新書の第2部はこの回で一区切りです。今後は、前向き検証の日次の結果と、市場について新しく測った事実を、それぞれ公開していきます。

こういうのでいいんだよ。確かめてから、信じる。

当方の価格モデルによる地方競馬の買い目は、締切3分前にメールで届けるサービスとして準備しています。前向き検証の公開方法と先行案内はこちらのページにまとめています。